Omeka S IIIF Serverモジュールにおいて、外部のImage Serverを利用する方法

概要

本記事では、Omeka S IIIF Serverモジュールにおいて、外部のImage Serverを利用する方法について説明します。

以下、本記事で使用する用語の整理です。

背景

Omeka SではImage Serverモジュールを用いてIIIF Image APIに対応したImage Server機能を持つことができます。

 

一方、Image ServerはIIPImage ServerCantaloupeなどの専用サーバで対応しつつ、Omeka SではIIIF Presentation APIにのみ対応する(マニフェストファイルを自動生成する)ことができます。

 

このような構成を取ることにより、Omeka Sはレンタルサーバ上に構築し運用コストを軽減させる、といったことが可能となります。

 

※ 冒頭で述べたImage Serverモジュールを利用することで、レンタルサーバ上で動作するOmeka SのみでImage Serverに対応することも可能です。ただしこの場合、レンタルサーバのスペック不足により、画像の返却に時間がかかってしまう場合があります。そのため、レンタルサーバ上でIIIFに対応したOmeka Sを構築する際は、この記事が対象とする構成のようにImage Serverを別途立てるか、以下の記事にあるように、IIIF ServerモジュールにおいてImage APIを使用しないオプションを設定することをお勧めします。(この場合、Image APIに非対応となり利便性が下がるデメリットはありますが、レンタルサーバのみでデジタルアーカイブシステムを運用することが可能となり、運用コストが軽減するメリットなどがあります。 )

 

nakamura196.hatenablog.com

 

※ なお、VPSやオンプレミス、クラウドなどのサーバ上でOmeka Sを運用する場合には、サーバのスペックが高いことが期待されるため、Omeka SのみでImage Serverの構築(Image Serverモジュールを導入し、IIIF Image APIへ対応する)と、IIIFマニフェストの自動生成(IIIF Serverモジュールを導入し、IIIF Presentation APIへ対応する)ことも有効かと思います。

 

前置きが長くなりましたが、以下で具体的な方法を説明します。

 

外部のImage Serverを利用する方法

外部のIIIF画像の利用は、Omeka Sの標準機能で対応することができます。以下のように、メディアの登録画面において、IIIF画像オプションを選択し、IIIF画像のURLを登録します。注意点として、info.json までを含むURLを使用してください。

 

以下は、国立国会図書館のIIIF画像を登録している例です。

 

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上記のようにメディアを登録した上で、かつOmeka SにIIIF Serverモジュールがインストールされていれば、以下のように、Omeka SでIIIFマニフェストを自動生成しつつ、IIIF画像は外部機関(例:国立国会図書館)が提供してくださっているものを利用することができます。

 

https://diyhistory.org/nakamura196/iiif/879/manifest

 

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まとめ

外部のImage Serverを使用しつつ、Omeka SでIIIFマニフェストを配信する、といった構成を検討されている方の参考になりましたら幸いです。