Amazon Lightsailを用いたOmeka Sサイトの構築(独自ドメイン+SSL化を含む)
概要
Amazon Lightsailは以下のような説明がなされています。
Amazon Lightsail は、コンテナなどのクラウドリソースを予測可能な低価格で簡単に管理できる、使いやすい仮想プライベートサーバー (VPS) です。
今回は、このAmazon Lightsailを用いたOmeka Sの構築方法を紹介します。合わせて、データベースの公開にあたり一般的に求められる「独自ドメイン」「SSL」設定についても扱います。
Amazon Lightsail
インスタンスの作成
以下のページにアクセスします。
https://lightsail.aws.amazon.com/ls/webapp/home/instances
そして、以下の「Create Instance」ボタンをクリックします。
「Select a blueprint」において、「LAMP (PHP 7)」を選択します。
「Choose your instance plan」において、インスタンスプランを選択します。今回は最も低価格のプランを選びました。
起動したら、以下のインスタンスのページにアクセスして、「Connect using SSH」ボタンを押します。
以下の画面が表示されます。
Linux ip-172-26-5-202 4.19.0-19-cloud-amd64 #1 SMP Debian 4.19.232-1 (2022-03-07) x86_64 The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software; the exact distribution terms for each program are described in the individual files in /usr/share/doc/*/copyright. Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent permitted by applicable law. ___ _ _ _ | _ |_) |_ _ _ __ _ _ __ (_) | _ \ | _| ' \/ _` | ' \| | |___/_|\__|_|_|\__,_|_|_|_|_| *** Welcome to the LAMP packaged by Bitnami 7.4.28-14 *** *** Documentation: https://docs.bitnami.com/aws/infrastructure/lamp/ *** *** https://docs.bitnami.com/aws/ *** *** Bitnami Forums: https://community.bitnami.com/ *** bitnami@ip-172-26-5-202:~$
インスタンス内での作業
ファイルの移動
まず、必要なファイルのダウンロードや移動を行います。
cd . # Omekaのダウンロード wget https://github.com/omeka/omeka-s/releases/download/v3.2.0/omeka-s-3.2.0.zip unzip omeka-s-3.2.0.zip # ファイルの移動 mv omeka-s/* /home/bitnami/htdocs # .htaccessの移動 mv omeka-s/.htaccess /home/bitnami/htdocs # 元からあったindex.htmlを削除 rm /home/bitnami/htdocs/index.html
データベースの作成
次にデータベースを作成します。
# パスワードの確認(パスワードが表示されます。) cat /home/bitnami/bitnami_application_password # 上記のパスワードを使ってmysqlに入る mysql -u root -p # データベースを作成する(omekasの部分は任意) MariaDB [(none)]> create database omekas; Query OK, 1 row affected (0.002 sec) MariaDB [(none)]> quit;
Omeka Sの設定
次に、Omeka Sの設定ファイルを修正します。
vi /home/bitnami/htdocs/config/database.ini
以下のようにファイルの内容を修正する。
user = "root" password = "(先ほど確認したパスワード)" dbname = "omekas" # 先ほど作成したデータベース名 host = "localhost" ;port = ;unix_socket = ;log_path =
また、filesフォルダの所有者を変更します。
sudo chown -R daemon:daemon /home/bitnami/htdocs/files
さらに、サムネイル画像の生成等に必要な、imagemagickをインストールしておきます。
sudo apt install imagemagick -y
ブラウザでの設定
Amazon Lightsailのインスタンスの画面で、「Public IP」に表示されるIPアドレスにアクセスします。
以下のように、インストール画面が表示されます。
あとは、基本的なOmeka Sの操作方法と同じです。以下の記事などを参考に、Omeka Sをご活用ください。
https://nakamura196.hatenablog.com/entry/2022/03/01/121931
独自ドメインの付与
ここからはオプショナルな作業について記述します。「独自ドメインの付与」「SSL化」「Basic認証」について扱います。
静的IPアドレスの付与
独自ドメインの付与については、まず静的なIPアドレスを付与します。「Networking」タブから「+ Create static IP」のリンクをクリックします。
以下の画面で「Create」ボタンを押します。
結果、静的なIPアドレスが付与されました。
Route 53
ここでは、Route 53を用いた独自ドメインの付与を行います。例えば、以下のように設定します。
しばらくすると、以下のようなアドレスでアクセスできるようになります。
SSL化
次に、SSL化を行います。再度インスタンスにsshでアクセスして、以下を実行します。
bitnami@ip-172-26-5-202:~$ sudo /opt/bitnami/bncert-tool
以下のように質問に回答します。(以下、一部分です。)
Domain list []: omeka.aws.ldas.jp The following domains were not included: www.omeka.aws.ldas.jp. Do you want to add them? [Y/n]: n Warning: No www domains (e.g. www.example.com) or non-www domains (e.g. www.example.com) have been provided, so the following redirections will be disabled: non-www to www, www to non-www. Press [Enter] to continue: [Enter] Do you agree to these changes? [Y/n]: Y
これにより、先のURLにアクセスすると、HTTPSにリダイレクトされます。
ここまでの作業により、独自ドメインとSSLを用いた最低限の公開環境が整います。
(参考)Basic認証
今回はBasic認証をかける必要があったため、その備忘録です。まず、ユーザを作成します。
sudo htpasswd -c /opt/bitnami/apache2/.htpasswd <username> New password: Re-type new password: Adding password for user <username>
次に、.htaccessの先頭に認証情報を追記します。
vi /home/bitnami/htdocs/.htaccess
AuthType Basic AuthName MyAuthName AuthUserFile "/opt/bitnami/apache2/.htpasswd" Require valid-user
この結果、以下のように、Basic認証が適用されました。
まとめ
以上、Amazon Lightsailを用いたOmeka Sの基本的なセットアップ方法と、Basic認証といったオプショナルな作業をまとめました。
Omeka Sを用いたデジタルアーカイブシステム構築時の参考になりましたら幸いです。